私の介護感をいくつかまとめました

ある日コンビニへ行ったら、腰の曲がったおじいちゃんがインスタントコーヒーを求めて入ってきました。

 

そして、コンビニの店員の女の子に「お湯入れて飲むコーヒーはどこにあるかね?」と聞いていました。

 

その女の子は「ここですよ」と案内していた。

 

おじいちゃんは、コーヒーを買ってお湯を入れて出て行ったのですが、店員の女の子は「あれじゃ、飲めないわ」とおじいちゃんを追いかけていったのです。

 

実はそのコーヒーはインスタントコーヒーではなく、ドリップの豆から入れるコーヒーだったのです。
豆をカップにいれて直接お湯を入れてしまっていたのですね。

 

私は、その一連の様子を見ていて、店員の女の子の感性に感動しました。

 

「豆がたくさん浮いているコーヒーなんて飲めない!」
コンビニの店員の女の子はとっさに、あれじゃ自分でも嫌だという思いから行動に出たんだと思います。

 

ああいう子が介護職に就いてくれたら天職なのになぁと思いました。

 

忙しい日々のなか「面倒くさいから、いいや」と思ってしまうことが多々あります。
けど、店外まで追いかけていった彼女のことを忘れることは出来ません。

 

介護士をしている私もいつか介護される日が来る。
施設でなのか、自宅でなのか、それは分からないけど、このめまぐるしく変化していく世の中について行く事ができなくなる日は近いと思います。

 

そんな時、言葉遣いに気を付けてもらうより、親しみ深い介護をしてほしいと思います。

 

「○○さん、あまり暴れないで下さいね。手足を縛ってさしあげましょうか?」
と丁寧語を使われるより「おばあちゃん、どーしたの?今日は何か機嫌わるいじゃん」と人間味あふれる、接し方をしてほしいと思う。

 

親しみ深い介護

 

最初に書いたコンビニの老人は彼女によって飲めるコーヒーを2つ買って行きました。
誰かと飲むために買いにきたんだ。きっと、話に花が咲いたんじゃないだろうか?

 

利用者にもらった宝物

その後日、仕事中に良い体験がありました。

 

車いすに乗っている上品なおばあちゃんが私に、「あれ今日は朗らかじゃないねぇ」と話かけてきてくれたのです。

 

その時は、ただ漠然と、このままこの仕事でいいのかなぁと思い始めていた時でした。
もっと歳を取っても、戻ってこれる仕事だし、今しかできないことやったほうがいいんじゃ?と思い始めていました。

 

そんな私の心の迷いをおあばあちゃんには、見抜かれてしまっていたのだと思います。
それで声をかけてくれたのです。

 

その日からそのおばあちゃんと会話する時間が格段に増えていきました。

 

そして、自分の今やりたい事を伝えた時、そのおばあちゃんは「歩けるうちに、見れるうちに、とにかくやってみなさい」と言ってくれました。

 

その言葉を胸に、私はなんと世界一周に出たことがあります!

 

介護は芸術だ

精一杯目の前の年寄りと関ることは、自分にとっては良い経験になっています。

 

介護職は自分に返ってくるものが大きいと私は思います。

 

家族は老いを支えきれない。だから介護士がいるのですが、科学的データにも残らないし世の中から大変な職業だと言われ、あまり見向きもされない世界だけれど、こんなにたくさんの人生を見れるし、こんなに一生懸命人と向き合える仕事は他にはないと思う。

 

施設では、たくさんの出来事が日々繰り広げられてきているけど、歳を取るっていうことは今も昔も変わらないことで、時代が変わり過ぎて年寄りが置いてけぼりになっている気がしてならない。

 

年寄りを見るということが形を変えても、尊敬するってことは大切にしたいと思います。

 

介護にもマニュアルはあります

でも、看護と違って病気を見るわけではありません。
今までの人生とこれからの残りの生活を見るのが介護です。

 

だから、技を磨いていきたいと思います。
それが、私の介護の仕方と胸をはって言えるような技や芸を磨き続けていけば良いんだと今でも思っている。

 

笑顔が一番

どんなに、芸や技を磨いても利用者に不快感を与えては意味がありません。
私の基準は介護を始めたときから変わっておらず1日に何回笑わせられるかにあります。

 

昔、尊敬する先輩に怒られたことがあります。
「私が真剣に利用者と話しているのに、横から入ってきて利用者が笑っちゃったから話が終わっちゃった」と怒られたのです。

 

その先輩も真剣に利用者と向き合っている人でした。
でも、私は反省しなかった。
むしろ、次の日からもどんどん冗談を言って笑わせた。ある日その先輩が私に言った。「ふざけてやってるんじゃないって分かったわ」と言ってもらえました。

 

笑顔はどんな薬よりも勝ると思う。たまには真剣に話をしなくちゃいけない時もあるけど、80年90年生きて来て今、そんなにたくさん真剣に話をすることってあるだろうか?

 

それより、毎日同じ話しでも、若い時の恋愛話を聞いて、笑って良い気分になったほうが残りの人生楽しいんじゃないだろうか。